3. アレルギー体質ってどんなもの?
アレルギー体質の人は、Th1とTh2の免疫バランスが崩れている
病原菌やウィルスなどの異物や花粉、ダニ、ほこりなどのアレルゲンが体に侵入してきたときに働くのが、リンパ球の一種で司令塔の役目を持つ「ヘルパーT細胞(Th細胞)」です。このヘルパーT細胞は、敵の種類によって、さらに「Th1細胞」と「Th2細胞」に分かれます。
ウィルスや細菌などの病原菌の場合はTh1細胞へ、アレルゲンの場合はTh2細胞へ分かれ、それぞれの敵を退治していきます。
通常、Th1細胞とTh2細胞は、お互いの働きを抑制し合い、どちらかの反応が過剰にならないように互いにバランスをとっています。このように免疫バランスが整っている状態では、アレルゲンに対して過剰に反応することはありません。
しかし、いわゆる“アレルギー体質”を持っている人の場合、Th1細胞よりTh2細胞の反応の方が過剰な状態のため、花粉やダニ、卵など普通なら無害なはずの物質に対して必要以上に攻撃し、それがくしゃみや鼻水、かゆみとして現れ、私たちを苦しめているのです。
「アレルギーを持っている人は、免疫バランスが乱れている」などと表現されることもありますが、これはTh1細胞とTh2細胞の免疫バランスの崩れのことを言っていたのです。
『「免疫を高める」と病気は必ず治る』 安保徹・福田稔〔監修〕マキノ出版
『安保徹の食べる免疫力』 安保徹 世界文化社
『アトピー・アレルギー克服応援ブック』〔NPO法人〕アトピッ子地球の子ネットワーク